冬のチーズといえば

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静寂の夜

冬のチーズといえば、12月、1月は大きなモン・ドール(Mont d’or)を大人数で頂いたりする、ダイナミックな楽しみ方ができる時期です。ところがこの冬はロックダウンから夜間外出禁止令にシフトし、また近くロックダウンが噂されている状況です。
リモートワークのため昼夜自宅にいる毎日は、どうしても単調になりがちです。気分転換も兼ねて買い物に出かけ、花を買って生け、週末の食事にこんなチーズを買ってみてはいかがでしょうか。
右:農家製生乳を使ったシェーブル・フレに柚子とティムトペッパーをあしらったチーズ
左:トリュフ入りペコリーノのモリテルノ・アル・タルトゥーフォ
フレッシュ・シェーブルに柚子のコンフィとティムトペッパー(ネパール産のスパイスで山椒の仲間。柑橘系の香りが特徴)をまぶしたチーズがリラックスの演出にひと役買います。山羊の生乳を使った農家製フレッシュチーズは、パリに5店舗展開するMOF熟成士Laurent Dubois(ローラン・デュボワ)のオリジナル。フレッシュ・シェーブルの酸味、柚子の甘酸っぱさとティムトペッパーの柑橘系の香りと辛みのバランスが巧みで新鮮です。

熱々を味わうフォンデュ、ラクレット

チーズの中には大人数で集まった時には味わえない、少人数ならではの楽しみ方もあります。「冬、チーズ」といえば、溶けたチーズの旨味や香ばしさを熱々で味わうラクレット(Raclette)やフォンデュ(Fondue)を思い浮かべる人が多いです。寒い季節に日本人が鍋料理を食べたくなるように、フランス人はフォンデュを食べたくなるという感じですね。スイス、フランス、イタリアにまたがるアルプス山岳地方の家庭、郷土料理のフォンデュ・オ・フロマージュ(Fondue au fromage)は陶器や電気の専用鍋がなくても、写真のような小鍋と卓上コンロ、または電気のグリル鍋などでも作れます。
家で楽しむ
チーズの伸び具合に大満足!

フォンデュ・サヴォイヤール

雪がちらつく週末の夕食に、フォンデュ・サヴォイヤール(Fondue Savoyarde)はどうでしょうか。フランスのハードチーズであるコンテとボーフォールをメインに使ったためサヴォア風と呼んでいますが、スイスのチーズ、例えばヴァシュラン・フリブ゙ルジョワ(Vacherin Fribourgeois)をメインに使えばフォンデュ・スイス(Fondue Suisse)と呼んでもいいでしょう。エメンタール(Emmental)やアボンダンス(Abondance)を使う人もいます。
内側にニンニクを擦り付けた鍋に白ワインを温め、
小さく切ったチーズを少しずつ混ぜながら加えると完成
今回は4人分でグリュイエール(Gruyere)、ボーフォール(Beaufort)、コンテ(Comté)を計700グラム使い、サヴォア産白ワイン250mlと二本のバゲットを角切りにしたものを用意しました。味付けはニンニクひとかけら、ナツメグと胡椒を少々使いました。
上からボーフォール(Beaufort)、グリュイエール(Gruyère)、コンテ(Comté) この後フードプロセッサーを使って細切れにしました
溶かしたチーズに絡める角切りのバゲット 酸味があるカンパーニュタイプのパンもおいしい

手軽にフォンデュ

フランスの大きいスーパーのチーズ売り場には、忙しい人や一人暮らしの人も楽しめるフォンデュ商品が揃っています。写真のようなピザ用チーズのようにカットされたフォンデュ用ミックスチーズもあれば、電子レンジで2分温めるカップに入ったフォンデュもあります。
袋入りフォンデュ用チーズ
お茶碗一杯分の量で、ひとりで楽しめるサイズ感がいい
冬が終わって春が来るように、このパンデミックもやがては収束します。凍えたかに見える冬の木々のように、内から芽吹く準備をしてお互いがんばりましょう。
五条ミショノウさやか

2004年からパリに在住。 家族は夫と娘が二人。 業界誌や講演録などの英日翻訳をしています。